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子宮脛癌 手術後 排尿障害

症例報告:藤井


 40代 女性


●症状
手術後 排尿障害
子宮脛癌にて手術(子宮摘出)を行い、手術直後から尿意の減少、排尿困難に悩まされる



●所見
排尿困難、導尿にて経過観察中。自然排尿の訓練中。
のぼせ、ホットフラッシュ、不安、不眠など更年期障害に似た卵巣欠落症状あり。
下枝のむくみ(リンパ浮腫)なし。
顔色やや白、首肩コリあり、頭痛なし。
食欲やや減退、たまに腹張、腹痛はなし、便通良い。
腹診:下腹やや虚、冷。術痕部の痛みなし。
舌:舌色やや紅、舌苔薄白、胖嫩舌
脈:細沈弱



●治療の内容と経過
手術によって骨盤内のリンパ組織も取ったためにリンパ浮腫の予防として臍以下の下半身への刺鍼、直接灸などの施灸は避ける。
下半身、下腹に施術をする場合は経穴の押圧や接触鍼、ローラー針など刺さない鍼法で行う。

手術をしてから約1か月、下腹部の違和感が少しあり、尿意がないので導尿による排尿中。
自然排尿はまだうまくできない。
ホットフラッシュや発汗、手足の冷えなど卵巣欠落症状なども頻繁にあらわれる。

中医学による弁証では脾腎陽虚証が主な病態だが、時に腎陰が陽気を抑えられずに上実すると考える。
補腎益気をおもな治療の柱として、補助的にその時々の症状に合わせてツボを選択する。

補腎益気のツボとして関元、中極、三陰交、涌泉、腎兪、次膠など下半身の経穴刺激が中心。
(ローラー鍼、鍉鍼などを使い分け、刺針はせず、必要な場合は棒温灸で補温)
百会や天柱など頭部・首肩は散鍼や毫鍼で治療を行い、上部に上がった陽気を下げる治療を行う。




●まとめ
膀胱炎や過活動膀胱などで頻尿の症状でご来院する患者さんは多いのですが、がん手術の後遺症である排尿障害に尿トラブルの治療法を応用した症例です。
この患者さんの場合は下半身の治療はローラー針、てい鍼など刺さない鍼や温灸を使用してのツボ刺激で施術を行いましたが、それでも十分な効果が出ていたものと判断しました。
鍼灸治療後にとても下半身が温まり快適で、気分がよい。同時に手術からの体力回復の様子を観察しながら骨盤底筋群のトレーニングや軽度の運動も始めて調子が戻ってきました。
排尿のトラブルは手術後3か月程でだいぶ気にならなくなり、その後は体調管理で月1回程度通院されています。
もともと脾腎陽虚の体質があったようで、関元や腎兪、足三里などのツボは今現在も刺針しない鍼治療を行って治療継続中です。






(表示される日時と実際の施術日は異なります)






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