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花粉症と中医学

スタッフ藤井です。

とうとう花粉症のピークの時期がやってまいりました。
せっかく日差しが暖かくなるのに杉花粉のアレルギーを持っている方にとってはうっとうしい季節です。
毎年この時期になると花粉症に悩む患者さんが多くご来院されます。

今回は我々鍼灸師が花粉症をどのように診て治療しているのか東洋医学的な視点をちょっとだけご紹介します。


20180309中医学で花粉症1



徐々に温かくなる3月、植物は芽吹き動物は活動的になります。
寒く冷たい「陰」の季節から、温かく日差しの強まる「陽」の季節への変化はすべての生命活動に大きな影響を与えます。


人間の身体もこの陰陽変化に多大な影響を受けます。
このような外界の変化がゆっくりと進行して、身体内部の気血水も徐々に活動的になります。

強い日差しに温められた空気は大きく動き、風を生みます。時には春一番という名前もつけられるほど激しい風が吹くときもあります。春の気候の特徴である「風」が強く吹きすぎて身体に過剰に影響すれば健康を害してしまうこともあります。





このように気候変動が病気の原因になることを中医学では「六淫」(りくいん)または「六邪」(ろくじゃ)といいます。邪は発病因子を指し、邪気(じゃき)ともいいます。六邪は身体の外にある邪気なので外邪という表現もします。


20180306六淫六邪中医学図表1風寒暑湿燥火



風が病気の原因の場合は風邪(ふうじゃ)といいます。この風邪(ふうじゃ)は流行性感冒などのいわゆる風邪(かぜ)とは意味が違うので注意してください。
ちなみに、暑すぎる場合は暑邪、寒冷刺激は寒邪、乾燥の場合は燥邪、湿気の場合は湿邪、高熱の環境では火邪もしくは熱邪といいます。


これらの外敵(外邪)に対してはいくつかの防衛システムが備わっています。
そのなかの一つに衛気(えき)という見えないバリアーがあります。


20180311衛気イメージ画像中医学



衛気はいろいろある「気」の一種で、身体の中から外に向かって放つディフェンシブエネルギーをイメージしてください。身体の表面はいつも衛気によって温度変化や外邪から守られています。この衛気が弱いと外邪の侵入が簡単になってしまいます。


20180317そうり中医学腠理図b



体表は衛気(えき)のほかにもう一つ腠理(そうり)が外敵の侵入を防いでます。
詳しい説明は割愛しますが、腠理が緊密で締まっていると防御力が高く、ゆるんで空疎な状態だと外敵が侵入しやすくなります。


腠理(そうり)の密度中医学絵そうりとは20180317



これらの衛気や腠理は肺の機能と大きくかかわっています。



20180309風邪と熱邪で花粉症2風熱の侵入





風邪(ふうじゃ)の本質は空気の動きなので鼻・喉・肺など呼吸器系統や空気に触れている皮膚表面に特に影響します。
また、熱がある所に風が発生するので、風と熱は1セットになりやすく、「風邪」+「熱邪」=「風熱」という春特有の病理になる事が多いです。この風熱こそが喉や鼻、眼などの粘膜にアレルギー性炎症を引きおこす花粉症です。



中医学が発達した古代中国ではウイルスや細菌という概念がなかったので、生活環境の中に病邪があると考えました。
花粉症においては主に風と熱の外邪が引き起こすと考えます。
すなわち、樹木の生命エネルギーに満ち溢れる陽性物質の花粉が春の風によって飛散し、多量に吸い込むと身体内部の熱が過剰になってしまい発熱や炎症が起きてしまうといったイメージです。



20150315代々木公園河津桜8





熱邪が原因の一つなので、花粉症の場合は身体の熱をむやみに上げるのはダメです。
食事も熱をあげる食べものばかり食べてしまうと症状を悪化させる場合があります。
熱をあげる食べ物としては辛い香辛料、高塩分、お酒、高カロリーのものなどです。カロリーは熱量なので、熱が過剰になっている場合にさらに食事で熱量を補給するのはいけません。甘いもの、脂っこいものは一般的にカロリー(熱量)が高いので食べ過ぎはNGです。



鍼灸治療では主に熱を発散させる役割のあるツボ、風を取り去るツボを組み合わせた治療をします。
そのほかに肺の力を強めるツボ、水の流れに関わるツボ、また鼻やのど、目のまわりの局所的なツボを使ったりします。花粉症でも人の体質や症状の出方で治療するツボは全く違ってきます。
体質などにあまり関係なく鼻のトラブルに使えるツボ→上星、印堂

漢方薬もまた熱を取る薬や風を追い出すような薬を使うので、鍼灸治療も漢方治療も同じ考えに基づいて治療を進めてまいります。


いろいろな花粉症対策がありますが、東洋医学の知恵もなかなかいいものですよ。





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