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「日本中医学会」設立記念シンポジウムに参加しました

スタッフの藤井です。

2010年8月29日、新たな中医学の学術団体が華々しく旗揚げをしました。
その名も「日本中医学会」です。
記念すべき船出のイベントとして都内で開催された「設立記念シンポジウム」に参加してまいりました。



この団体はかつて「中医学留学経験者連絡協議会」という名称で、おもに中医学系の留学経験者のささやかな集まりでしたが、その後、「日本中医学交流会」と名前を変えて発展し、そして今日、「日本中医学会」という学術団体になりました。中医学留学経験者連絡協議会時代から参加させて頂いているので、知っているメンバーが多く、また時間が経つにつれて大きな規模に成長しています。



日本中医学会2010設立記念

広い会場は350人を超す中医を志す国内外の参加者でいっぱいになり、準備していた目録が足りなかったり、席が足らず、スタッフがあわてて椅子を運ぶ姿も見えました。
中医学に対する関心の高さがうかがえます。


日本中医学会2010設立記念2

また、中国からも大物中医学者や政治家が来日し、中国もこの学会に大きな期待を寄せているという点と、日本中医学会が中国との太いパイプを既に持っているという点がわかりました。

王承徳先生(中国国家中医薬管理局台港澳交流合作中心主任)から日本中医学会への祝辞が届けられました。
「精研岐黄造福人類」と書いてあります。このありがたい祝辞の意味は文末に解釈してみましたので興味がある方はご覧くださいませ。

中国要人の特別講演ではなかなか知り得ない、リアルタイムの中国医療状況など、勉強になりました。


日本中医学会2010設立記念3酒谷薫先生

この学会の理事長を務める酒谷薫先生。
脳外科医の酒谷先生はかつて北京の中日友好病院で脳外科の教育・指導をしておられました。
実はその時、貧乏留学生だった私は同じ北京の中日友好病院の中医内科でインターンをしており、よく酒谷先生のご自宅でご飯を食べさせてもらった大恩人でもあります。

今日は恩人で偉大な先生の講演も聞け大満足です。


会場のそこらじゅうに有名な中医界の重鎮がおられて、錚々(そうそう)たる布陣であることに驚きです。
講演はなかなか聞くことのできない医師による中医研究と臨床報告や、最先端の技術を駆使した中医と現代医学の融合など貴重でコアな内容のオンパレードでした。



日本中医学会2010設立記念兵頭先生

兵頭明先生の「鍼灸と認知症」の講演も先月のTCMNで拝聴した講演内容とはすこし違い、医療者向けにアレンジされてより高度なレベルの講演でした。

(今回のブログで使われている写真はすべて兵頭明先生から提供していただいた写真です。ありがとうございます!)




総合討論の時間で行われた講演者と参加者の自由討論会は、今の時代に即した環境のテーマなども議題にあがりました。中医学と資源・環境などのエコロジーとの関連が議論されるなんてなかなか楽しかったです。
また、今後の中医学と西洋医学の研究方向というテーマの議論では、加島雅之(熊本赤十字病院内科医)先生の闊達な発言に会場から大喝采がわきおこりました。


日本中医学会2010設立記念4懇親会


夕方から夜にかけて行われた懇親会も人をかき分けながら談話するような大盛況ぶりでした。
この日本中医学会発足にあたり、ものすごい長い準備の年月と、多くの先生方の相当な尽力があったことを、懇親会の会場でとある有名な先生からお話を聞きました。



今までの中医学の学術団体は、医師は医師、薬剤師は薬剤師、鍼灸師は鍼灸師だけという業種ごとにそれぞれ独立していたケースが多かったのですが、今回の「日本中医学会」では医師、薬剤師、鍼灸師、そのほかの専門家が多く参加しています。また国内外のたくさんの著名人も参加しているため、今後の日本の医療のなかで中医学の総合的な発展ができるのではないかと大いに期待してます。
(……期待だけするだけでなく、少しでも学会のお役に立てられるように頑張らなくては、と思いました)



スタッフの皆様、実行委員の皆様、ありがとうございました、これからもよろしくお願いいたします。


日本中医学会
http://www.jtcma.org/










「精研岐黄造福人類」王承徳先生の言葉;
「精研岐黄造福人類」王承徳先生の言葉2010日本中医学会フェード
岐黄とは、岐伯(きはく)と黄帝(こうてい)という二人の人物をあわせた呼び方です。この二人の討論形式の書物が【黄帝内経】(こうていだいけい)と呼ばれる現存する世界最古の医学書であり中医学のバイブルです。
そのため中国では「岐黄」という言葉は中国が誇る中医学の代名詞として使われます。
「心をこめて中医学を研究・研鑽することで人類の幸福を作り出そうではないか」というような意味であるかと思います。









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