PMS月経前症候群の症例報告
- 2010/09/12
- 22:58
鍼灸ジャーナルという、鍼灸業界の鍼灸専門誌があります。
今回、こちらの専門誌 『東洋医学鍼灸ジャーナル 2010年 09月号
』で、月経前症候群(PMS)の症例報告を書かせていただきました。

「月経前症候群(PMS)~触診重視の治療法によるアプローチ」と題して、中医学での月経機序の基本的な考え方と、目白鍼灸院で行っているPMSの治療法と症例をご紹介しました。
二人の患者さんの例を書かせていただきましたが、一人は「オ血」(おけつ)という循環不良の血が原因で起こるPMSの患者さんの症例です。
この患者さんは、PMSの症状自体は2回の治療で改善しました。
治療を重ねるごとに「オ血」特有の症状が軽くなり、それに伴って月経痛や膝痛などの症状も緩和されていった方です。
←オ血はこのように書きます。常用漢字ではないので画像で表現してます。
鍼灸治療は血液循環の改善が得意分野のために、「オ血」に関係する症状改善は比較的効果が出やすい傾向があります。典型的なオ血の患者さんは、舌の色などにはっきりとした兆候を見てとれるのですが、治療前と治療後で舌の色を比べるとかなり変化が見られます。
舌診に関する過去記事:身体をつくる血のはなし(2007年7月12日)
もう一人の方は、脾と腎が元々弱い「脾腎陽虚」という体質の方で、多様なお辛い症状をお持ちの方です。
こちらの患者さんは、元々の体の状態とは別に季節ごとに体の変化が激しく、お身体の状態も全く違ってしまうタイプの方です。
目白鍼灸院の治療スタイルは、一人の患者さんでも毎回の治療ごとに使うつぼが異なります。
今回の症例報告の場合、一人目の患者さんも毎回少しずつ使うつぼは違うのですが、大まかな治療方針は「血流改善」を主眼に置いた治療を行いました。
二人目の患者さんは、診断自体が季節ごとに違うため、治療方針も季節ごとに違います。
西洋医学では両者とも同じくPMSという診断がつくのですが、中医学では診断が異なります。その両者の治療方針の違いや治療を行った理論的な背景などをうまく表現できたか?と問われれば、残念ながら出来ていないかもしれません。

こちらのややこしい図は今回の症例報告の際に書いた婦人科の模式図です。
中医学に興味のない人にとっては、何が何だかまったく解らないかも知れません
また、治療間隔は、身体の状況を大きく変えたいときは週に一度以上の治療ペースで、それ以外は1か月に一度~二度の治療ペースなので、症例報告として文章に書く場合に治療経過のどこからどこまでを書くべきか大いに悩みました。
恩師である、兵頭明先生にもアドバイスを頂きながらなんとか完成した記事です。
ちょうど、北海道研修中だったので、吉川正子先生のご意見やご指摘を直接頂くことができました。
症例報告に協力していただいた患者さん、先生方、ありがとうございました。
鍼灸の専門誌ですが、大きな書店などでは販売しておりますので、機会がありましたらチラッとご覧下さい
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TAG:PMS月経前症候群の症例報告 PMS 鍼灸 月経前症候群 PMSの解消 PMS症状緩和 PMSとはりきゅう PMS治療 PMSとは PMSの治療 PMS東洋医学 PMSハリ PMSお灸
今回、こちらの専門誌 『東洋医学鍼灸ジャーナル 2010年 09月号

「月経前症候群(PMS)~触診重視の治療法によるアプローチ」と題して、中医学での月経機序の基本的な考え方と、目白鍼灸院で行っているPMSの治療法と症例をご紹介しました。
二人の患者さんの例を書かせていただきましたが、一人は「オ血」(おけつ)という循環不良の血が原因で起こるPMSの患者さんの症例です。
この患者さんは、PMSの症状自体は2回の治療で改善しました。
治療を重ねるごとに「オ血」特有の症状が軽くなり、それに伴って月経痛や膝痛などの症状も緩和されていった方です。

鍼灸治療は血液循環の改善が得意分野のために、「オ血」に関係する症状改善は比較的効果が出やすい傾向があります。典型的なオ血の患者さんは、舌の色などにはっきりとした兆候を見てとれるのですが、治療前と治療後で舌の色を比べるとかなり変化が見られます。
舌診に関する過去記事:身体をつくる血のはなし(2007年7月12日)
もう一人の方は、脾と腎が元々弱い「脾腎陽虚」という体質の方で、多様なお辛い症状をお持ちの方です。
こちらの患者さんは、元々の体の状態とは別に季節ごとに体の変化が激しく、お身体の状態も全く違ってしまうタイプの方です。
目白鍼灸院の治療スタイルは、一人の患者さんでも毎回の治療ごとに使うつぼが異なります。
今回の症例報告の場合、一人目の患者さんも毎回少しずつ使うつぼは違うのですが、大まかな治療方針は「血流改善」を主眼に置いた治療を行いました。
二人目の患者さんは、診断自体が季節ごとに違うため、治療方針も季節ごとに違います。
西洋医学では両者とも同じくPMSという診断がつくのですが、中医学では診断が異なります。その両者の治療方針の違いや治療を行った理論的な背景などをうまく表現できたか?と問われれば、残念ながら出来ていないかもしれません。

こちらのややこしい図は今回の症例報告の際に書いた婦人科の模式図です。
中医学に興味のない人にとっては、何が何だかまったく解らないかも知れません

また、治療間隔は、身体の状況を大きく変えたいときは週に一度以上の治療ペースで、それ以外は1か月に一度~二度の治療ペースなので、症例報告として文章に書く場合に治療経過のどこからどこまでを書くべきか大いに悩みました。
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