甘夏みかんと免疫の関係について
- 2011/03/08
- 22:48
前回の記事の中で「たくさん甘夏を食べてビタミン補給をして免疫力をアップして下さい」という一文を書きました。
なぜ、ビタミンが免疫と関係があるのかを少し整理しておきたいと思います。
まず知っておかなければならないのが活性酸素についての話です。

【活性酸素について】
我々は酸素呼吸をおこなって生きています。
酸素は他の物質と結合したがる性質があり、酸素と他物質の結合を酸化と言います。
マッチに火をつけると炎が出て燃焼しますが、この反応も激しい酸化です。食べ物が放っておくと変色して酸っぱくなってしまうのも、鉄が錆びたり、使い捨てカイロが発熱するのも酸化です。
細胞内で行われるエネルギー代謝も酸素と他の物質が結合する化学反応です。
細胞内の酸化の過程で活性酸素という物質が生まれます。
この活性酸素という物質は結合好きな酸素よりももっともっと強力に他の物と結合したがるスーパー結合屋さんです。
生体内の代謝過程ではある程度の活性酸素が必要ですが、処理しきれないほど大量に発生したりすると、手当たり次第に他の物質とくっついたり、他の物質の電子を無理やり強奪する暴れ者です。

物質が無理やりに酸化させられたり、電子を強奪されると、物質の性質が変質してしまうわけなので、生体内では細胞が壊れたり、細胞内の組織が破壊されたり、細胞核の中身のDNAが損傷したりと困ることが起きます。
白血球のなかにはこの活性酸素を武器として身体に入ってきた悪者退治に使うタイプもいます。この武器は強力な破壊力なので、周りの組織も流れ弾でダメージを受けます。→炎症反応
活性酸素による細胞のダメージが老化や生活習慣病やがん細胞の形成など、様々な病気の原因と言われています。
シミやシワ、肌の老化など、美容の面でも活性酸素は大敵です。

ストレスや寝不足、過度な飲酒、タバコ、偏食、紫外線などで活性酸素が増えます。
【抗酸化物質について】
この活性酸素を無害化するお掃除システムもしっかりと身体の中には備わっています。
これが抗酸化物質です。スカベンジャーとも呼ばれています。
体内で作られるさまざまな酵素や食品に含まれるビタミン類、ポリフェノールなどの抗酸化物質が知られています。
体内で作られる様々な酵素はたんぱく質が元になっているためにたんぱく質を適度に摂取していればそれほど問題ないのですが、極端な食療法などで過度な栄養制限を行っているとたんぱく不足になり、酵素の合成不良が生じますので注意してください。
また、酵素の元はたんぱく質なので、経口摂取してもアミノ酸に分解されるので酵素をたくさん含まれたものを食べても生体内の酵素活性にはあまり影響しません。
(必須アミノ酸が全て摂れるように色々な種類のたんぱく質を摂るのが大切です)
余談ですが、健康のために動物性蛋白質を一切食べないように食療法をうんと頑張っている方がいますが、人間は摂取する蛋白質が大幅に不足すると、残存している筋肉を分解して必要な蛋白質を再合成し始めます。
これは筋肉量が急激に少なくなるので基礎代謝を下げてしまい、体温低下、循環不良などを引き起こし、体力を損ない、かえって免疫低下につながるので絶対に避けなければなりません。過激なダイエットや過激なたんぱく制限などの食療法を始めてから体重が激減した人はこの状態が多いです。
食品で摂れるスカベンジャー(抗酸化物質)はビタミンやポリフェノールが有名です。
ビタミンはvit.A vit.C vit.E vit.B群などが抗酸化作用があるとされています。
ポリフェノールは緑茶などのお茶に含まれるタンニンやカテキン、赤ワインのフラボノイドなどが有名ですが、これもまたたくさんの種類のポリフェノールがあります。
(ちなみに私はポリフェノールを摂りすぎると頭痛が起こります)

新鮮なかんきつ類には多くのビタミンCが含まれます。
冒頭の「ビタミンCで免疫力云々」とう話は、稲取産の無農薬甘夏ミカンを食べて活性酸素を除去しましょう、という意味でした。
また、柑桔類の成分オーラプテンという物質が抗がん作用があることも研究されています。
果皮に多く含まれているのでぜひ甘夏の果皮もマーマレードなどに利用してください。
これらの活性酸素と抗酸化物質の説はあくまでも一つの考え方です。
抗酸化物質もこれだけ摂っておけば良いというものではありません。
結局は「規則正しい生活とバランスのとれた食生活、そして適度な運動で身体を作る」ことが大事なのです。
記事担当:藤井
伊豆産甘夏ミカン関連記事:
甘夏ミカン畑の作業@伊豆稲取(2011年2月21日)
甘夏みかん狩りに行ってきました(2010年5月18日)
伊豆稲取産・甘夏みかんの収穫祭(2010年5月6日)
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甘夏みかんの東洋医学的な効用(2007年6月7日)
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TAG:甘夏ミカン 伊豆稲取 みかんと免疫 免疫と抗酸化作用 運動と免疫のかんけいについて

なぜ、ビタミンが免疫と関係があるのかを少し整理しておきたいと思います。
まず知っておかなければならないのが活性酸素についての話です。

【活性酸素について】
我々は酸素呼吸をおこなって生きています。
酸素は他の物質と結合したがる性質があり、酸素と他物質の結合を酸化と言います。
マッチに火をつけると炎が出て燃焼しますが、この反応も激しい酸化です。食べ物が放っておくと変色して酸っぱくなってしまうのも、鉄が錆びたり、使い捨てカイロが発熱するのも酸化です。
細胞内で行われるエネルギー代謝も酸素と他の物質が結合する化学反応です。
細胞内の酸化の過程で活性酸素という物質が生まれます。
この活性酸素という物質は結合好きな酸素よりももっともっと強力に他の物と結合したがるスーパー結合屋さんです。
生体内の代謝過程ではある程度の活性酸素が必要ですが、処理しきれないほど大量に発生したりすると、手当たり次第に他の物質とくっついたり、他の物質の電子を無理やり強奪する暴れ者です。

物質が無理やりに酸化させられたり、電子を強奪されると、物質の性質が変質してしまうわけなので、生体内では細胞が壊れたり、細胞内の組織が破壊されたり、細胞核の中身のDNAが損傷したりと困ることが起きます。
白血球のなかにはこの活性酸素を武器として身体に入ってきた悪者退治に使うタイプもいます。この武器は強力な破壊力なので、周りの組織も流れ弾でダメージを受けます。→炎症反応
活性酸素による細胞のダメージが老化や生活習慣病やがん細胞の形成など、様々な病気の原因と言われています。
シミやシワ、肌の老化など、美容の面でも活性酸素は大敵です。

ストレスや寝不足、過度な飲酒、タバコ、偏食、紫外線などで活性酸素が増えます。
【抗酸化物質について】
この活性酸素を無害化するお掃除システムもしっかりと身体の中には備わっています。
これが抗酸化物質です。スカベンジャーとも呼ばれています。
体内で作られるさまざまな酵素や食品に含まれるビタミン類、ポリフェノールなどの抗酸化物質が知られています。
体内で作られる様々な酵素はたんぱく質が元になっているためにたんぱく質を適度に摂取していればそれほど問題ないのですが、極端な食療法などで過度な栄養制限を行っているとたんぱく不足になり、酵素の合成不良が生じますので注意してください。
また、酵素の元はたんぱく質なので、経口摂取してもアミノ酸に分解されるので酵素をたくさん含まれたものを食べても生体内の酵素活性にはあまり影響しません。
(必須アミノ酸が全て摂れるように色々な種類のたんぱく質を摂るのが大切です)
余談ですが、健康のために動物性蛋白質を一切食べないように食療法をうんと頑張っている方がいますが、人間は摂取する蛋白質が大幅に不足すると、残存している筋肉を分解して必要な蛋白質を再合成し始めます。
これは筋肉量が急激に少なくなるので基礎代謝を下げてしまい、体温低下、循環不良などを引き起こし、体力を損ない、かえって免疫低下につながるので絶対に避けなければなりません。過激なダイエットや過激なたんぱく制限などの食療法を始めてから体重が激減した人はこの状態が多いです。
食品で摂れるスカベンジャー(抗酸化物質)はビタミンやポリフェノールが有名です。
ビタミンはvit.A vit.C vit.E vit.B群などが抗酸化作用があるとされています。
ポリフェノールは緑茶などのお茶に含まれるタンニンやカテキン、赤ワインのフラボノイドなどが有名ですが、これもまたたくさんの種類のポリフェノールがあります。
(ちなみに私はポリフェノールを摂りすぎると頭痛が起こります)

新鮮なかんきつ類には多くのビタミンCが含まれます。
冒頭の「ビタミンCで免疫力云々」とう話は、稲取産の無農薬甘夏ミカンを食べて活性酸素を除去しましょう、という意味でした。
また、柑桔類の成分オーラプテンという物質が抗がん作用があることも研究されています。
果皮に多く含まれているのでぜひ甘夏の果皮もマーマレードなどに利用してください。
これらの活性酸素と抗酸化物質の説はあくまでも一つの考え方です。
抗酸化物質もこれだけ摂っておけば良いというものではありません。
結局は「規則正しい生活とバランスのとれた食生活、そして適度な運動で身体を作る」ことが大事なのです。
記事担当:藤井
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